木馬亭浪曲定席
9月5日日曜日
東家一太郎はじめて木馬亭で主任(トリ)を取らせて頂きました。
一番大変なご時世の中、
木馬亭までご来場下さいましたお客様、誠に有難うございました。
感謝の心が今も際限なく溢れ出て来ます!
また木馬亭定席五十周年の記念すべき年に
まだ若輩者の私に、主任で勉強させて下さった
木馬亭の社長、女将さん
浪曲協会の先輩方の御心にも深く感謝申し上げております。
当日の番組は
東家志乃ぶさんの代演で富士綾那さんが出られて
三門綾 「鳥追い恋慕笠」(ノリ子)
東家三可子「塩原多助江戸日記」(美)
富士綾那「甚五郎京都の巻」(貴美江)
浜乃一舟「記念の煙草」(美)
仲入り
澤雪絵「雪おんな」(貴美江)
田辺鶴遊「生か死か」
富士琴美「忠治関宿」(ノリ子)
東家一太郎 シートン動物記より「オオカミ王ロボ」(美)
曲師 東家美、馬越ノリ子、佐藤貴美江
でした。
終演後、お客様から
良い番組だった、皆んな良かったと仰って頂きまして何より一番嬉しいお言葉でした。
トップの綾さんからお客様の拍手で盛り上がり、
三可子さんはネタ下ろしとは思えない素晴らしい浪曲、
綾那さんもいい声と堂々たる舞台で
若手のパワーがみなぎって爽快でした。
これが未来の浪曲界です!
志乃ぶさんは残念ながら代演となってしまったのですが、彼女の浪曲も素晴らしいです。
また木馬亭後見(手伝い)で
東家恭太郎さん、天中軒すみれさん、東家千春さんにもお世話になりました。
皆んな浪曲に熱心に頑張っています。
これからの浪曲界は本当に楽しみだと思います♪
美は三可子さんと一舟師匠と私の三席弾くので忙しいのですが、
私も10時30分から木馬亭に居ましたので自分の出番まではまだまだと思っていたら、
あっという間に時間が経っていくのでソワソワしていました。
ソワソワしてる場合じゃないと
一舟師匠の浪曲を聴きまして、
浪曲って凄いなぁと涙が出て来ました。
浪曲師と曲師の魂が物語の中で一緒になって飛び出て行く。
一舟師匠も美も素晴らしい。
自分も頑張らなきゃと思いました。
仲入りの後は
一年先輩で一緒に木馬亭で修行しました
澤雪絵姉さんに是非とお願いして出て頂きました。
せっかくトリを取らせて頂くのですから
未来の浪曲界!を番組に反映させたいと
若手中心で、雪絵姉さんにモタレで助けて頂きたいなとはじめ思ったのです。
香盤的に仲入り後のご出演でしたが、
ご一緒させて頂いて本当に嬉しかったです。
雪絵姉さんは澤孝子師匠
私は師匠東家浦太郎の芸と心の本質を
未来の浪曲界に継承していく同志だと思っています。
浪曲協会の三味線教室で
教えて頂いて、ずっとお世話になってきた
佐藤貴美江師匠とご一緒させて頂き嬉しかったです。弟子入りする前から今まで全部を知って下さっている師匠なので。
三味線教室時代からの仲間、
馬越ノリ子さんともご一緒で、
馬越さんの優しさに触れてホッと心が落ち着きました。
綾さんと琴美姉さん二席弾かれて、浪曲界には無くてはならない曲師でいらっしゃいます。
同い年、午年会
講談の田辺鶴遊先生にもお願いして出て頂きました。
楽屋で写真を撮って下さったり、
いつもお会いしたくなる楽しい
尊敬する先生です。
富士琴美姉さんは私のような後輩のモタレもご快諾下さり本当に有り難いです。
琴美姉さんのお人柄で楽屋でご一緒するといつも楽しい雰囲気になります。
忠治関宿、国定忠治の世界がパッと広がって浪曲の味を私も出せるようになりたいと思いました。
はじめての木馬亭定席の主任。
いつもは板付き、
テーブル台の所にいる状態で幕が開きますが、
幕が開いた後に、舞台袖から
師匠の真似をして登場致しました。
東家美の三味線で、
温かいお客様の前で
木馬亭で浪曲「オオカミ王ロボ」を務める事が出来まして本当に幸せでした。
今泉吉晴先生訳のシートン動物記と出会えまして
それを美と二人で浪曲にすることが出来ました。
人間と動物は同じ
人と変わらぬ心を持っている
その賢さゆえにオオカミ王と云われたロボ。
シートンが描いたロボの心は動物物語としてだけではなく、
人としてどう生きたいか、どうありたいかと、人生を励ましてくれているように、浪曲を務めながら感じていました。
素晴らしい三味線で
浪曲を共に作り上げてくれる美に何より感謝しています。
14年間浪曲をやって来て
ひと区切り着いた感がありました。
古典も新作も新しい演目、
浪曲での新しい試みに向かって行きたいです。
これから本当の意味で
大好きな浪曲で自分のやりたいことが出来るという希望が見えて来ました。
挑戦して学んで、今までやって来た事のレベルを上げて、を繰り返し、成長して参ります。
今後とも応援頂けますよう宜しくお願い申し上げます。