『あの日、松の廊下で』読了

『あの日、松の廊下で』
白蔵盈太 著、文芸社文庫
読了しました。

殿中松の廊下で
斬りつけた男 浅野内匠頭
斬りつけられた男 吉良上野介
それを留めた男 梶川与惣兵衛。
浅野と吉良の間を取り持つ梶川与惣兵衛の人間味が溢れる作品でした。

松平国十郎先生の浪曲
「元禄曽我物語」を聴いて、
この本を読むのがオススメです。
同じ梶川与惣兵衛の話で、忠臣蔵が深く分かります。

浪曲の忠臣蔵は泣けますが、
この本も全然違う観点から泣けました。
人間ドラマという点で、描き方は違っても同じでした。

吉良上野介だって、イヤミな悪い老人のイメージがありますが実際は名君と云われていたそうで、高家というだけあって吉良家は昔から朝廷儀式に通じた名家です。

浪曲もたとえ昔ながらの一片通りの描き方であっても、演者は色々な角度から勉強して、人物描写に幅を持たしたいなと思います。
本当は時代にあった忠臣蔵台本を書いてみたいと思います。

作品の中に現代社会の構図も表れていて
浅野、吉良、梶川
自分にもこういう所があるなぁとか、こんな人いるなぁと、面白おかしく、反省、勉強しながら読めました。