夕立勘五郎 小須戸屋仁兵衛

昨年新潟に行った帰りに
新潟市秋葉区小須戸という町を通りました。

3/14赤坂で浪曲で務めます
「夕立勘五郎 三国峠」に
旅籠の隠居、小須戸屋仁兵衛という登場人物が出てきます。
勘五郎と兄弟分の六人は小須戸屋というこの旅籠に泊まります。
そして次の日の朝、三国峠に登ったところで
輪島千代蔵の子分たちが大勢で勘五郎たちを待ち受ける、喧嘩場の場面になります。

この小須戸屋仁兵衛という隠居のキャラクターが話の前半の要になっています。
勘五郎たちに千代蔵子分たちが三国峠で出張っていることを伝えにくるのです。
元やくざで、足を洗って旅籠稼業になった隠居ですので、昔の血が騒いで、いてもたってもいられない面白い人物です。

越後小須戸というところではした博打打ちだった、
という台詞があるので
小須戸とはどんな所かと、遠回りして通ってみました。

新潟中心部から離れて広大な田んぼ道をずっと行くと、
昔ながらの町並みが出てきました。
なるほど、新潟ではおそらく江戸時代からとても栄えていた町だったのだろうなというのがわかります。

小須戸屋仁兵衛という人物を表現するのに少しでも役立つように思います。

勘五郎たちはこの小須戸屋という旅籠に泊まるのですが、
この旅籠宿は、三国峠の麓、浅貝 あさかい の宿にあります。
次の日の朝、三国峠に登って行くのです。

楽浦師匠の音源では、小須戸に泊まったとなっていたのですが、
小須戸から三国峠まで歩いたら一日以上かかるのでおかしいなと思っていました。

おそらく間違いで三国峠の麓の宿だろうと、
新潟側に三つぐらい宿がありますので、
その中で本陣があったという浅貝の宿に決めて、台本を作りました。
後に、講談本を見ましたら、浅貝の宿になっていたので、勘が当たった。
夕立勘五郎ですから…。

楽浦師匠が小須戸の宿と言って下さったおかげで、小須戸の町を見ることもできました。
ここには尾崎屋という歴史のありそうな旅館もありました。

浅貝の宿もいつか泊まったみたいです。
苗場スキー場のある辺りです。
御宿本陣という歴史ある旅館もあるようです。