木馬亭五十年の軌跡

今回のNHK FM浪曲十八番は木馬亭浪曲定席50周年を記念した内容にさせて頂きました。
番組のプロデューサーさんのアイデアと私と美が考えていたことが一致しました。
木馬亭を案内する浅草案内だけですと時間が短いので、もう一席加えて、二席という形になりました。

放送をお聴き下さった皆様から頂きました

また木馬亭に行きたくなった

まだ木馬亭に行ったことがないけれど、コロナが落ち着いたら行きます

というお言葉が何より嬉しいです。

放送日の5月7日は本当でしたら、1日から7日までの定席中で、木馬亭50周年の企画公演がある日でした。
新型コロナウィルスの影響でこういう事態になり、木馬亭50周年のお祝いの公演が延びてしまったのはとても残念ですが、このタイミングに放送頂きましたことに深いご縁を感じずにはいられません。

木馬亭さんと
大師匠東家楽浦、
師匠東家浦太郎
のご縁はとてもとても深いです。
師匠は今年芸歴65周年ですが、おそらく浪曲の世界に入られた頃から木馬とのご縁があります。
私も浪曲と木馬亭の雰囲気に魅せられて、
師匠に弟子入りしてから年季明けまで木馬亭定席中心の生活を送って来ました。

昨年末お亡くなりになられた根岸京子大女将さん、
今は横浜でお元気に暮らしていらっしゃるおじさん(大女将さんの弟さん)とお会いする日々が幸せでした。

今は社長と女将さんが浪曲を本当に大事にして下さり、未来ある若手の応援も親身に、惜しみなくご指導して下さいます。

浪曲定席を楽浦師匠の提案を聴き入れて50年前に始めて下さったのは
大女将さんのご主人
根岸浜吉席亭です。
お客様が十人入らないという時もある中を、大女将さんとご一緒に浪曲の灯を消さずに続けて下さいました。
浜吉席亭はとてもご苦労をなされたそうです。

いつもの「一太郎の浅草案内」は
台詞の中で大女将さんだけに登場して頂いているのですが、
50周年特別バージョンということで、
浜吉席亭と京子大女将さんご夫婦の会話を入れさせて頂きました。
浪曲の中では時間と空間を超えて、お二人にお会いすることが出来ます。

浪曲人気が低迷してお客様が本当に少ない時代を木馬亭さんが浪曲定席を続けて支えて下さいました。
今見ると、とても豪華なメンバーで、名人の先生方が出演している日もお客様が少ない時があったそうです。
そういう時を乗り越えてきた抗体がありますので、新型コロナウィルスに浪曲も木馬亭も負けません!
続けて行けば必ず新しいものが生まれて来ます。
木馬亭さんが浪曲定席を続けて下さったおかげで、私は浪曲の本当の魅力を知る事が出来ました。
木馬亭がなかったら浪曲師にはなっていなかったと思います。
そして今、沢山の木馬亭、浪曲ファンのお客様がいらっしゃいます。

木馬亭浪曲定席は5月31日までの東京都外出自粛要請が解けた後、
6月1日から再開予定です!
7日までお昼12時15分から開演です。
一太郎と美は6日土曜日、7日日曜日に出演致します。

木馬亭50周年も延長して来年2021年年末まで行う事になりました。
これからの新しい時代は義理人情を謳う浪曲の時代になりそうな予感がします。また私たちもその一端を担えるように浪曲に精進して参ります。

木馬亭へのアクセスや番組表はこちらをご覧下さいませ。