お客様

まだまだ若手の未熟な浪曲師でございますが
十年の間に色々なお客様とご縁を頂いております。

ご年配のファンの方が多いので
十年の間に悲しい別れもございました。

つい半月前に浪曲を聞いて頂いたお客様。
同じ場所で昨日浪曲をさせて頂いたのですが、
お亡くなりになっていたことを知りました。
一回一回の舞台が本当に一期一会なのだと、
そのお客様に教えて頂きました。
お声も、
かけて頂いた言葉も、
表情も
はっきりと覚えております。

とても応援して下さっていたお客様との別れもございました。

昨日はじめてお会いしましたお客様は
子どもの頃、寝る時に布団に入ると
お母さんがラジオかレコードで浪曲を聞かせてくれたそうです。
まさに子守唄代わりですね。
母と子の一生忘れられない大事な時間。
そこに浪曲があったのです。

いつも浪曲の途中で気持ち良くなって寝入ってしまわれたそうですが
そのお客様は子どもの頃に聞いた浪曲の内容をよく覚えていらっしゃって、
子どもの時の感覚で
感動したことを教えて下さいました。

いい浪曲を腕のある浪曲師がやれば
大人も子供も関係ない!
感情を伝えることができれば
大人も子供も泣く!
一太郎、日本一になれ
応援する
とお励まし頂きました。

美の三味線も
三味線に心がある!
響いてくる
生きている三味線は初めて聞いたと
お褒め下さいました。

お客様お一人お一人が私たちにとってかけがえのない方々です。

私などにもサイン書いてと仰って下さるお客様がいらっしゃいますが
私がお客様のサインを頂きたいくらいの気持ちです。

これから浪曲を通して一人でも多くのお客様と出会いたいです(o^^o)

東家一太郎、美、今年も夫婦で必死で頑張ります!
浪曲はいわば日本のミュージカル、日本の心です。
是非一度聞きにいらして下さいませ。